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研究レポート

加熱により醤油調味液から漂う香気成分

金子秀, 熊沢賢二
小川香料株式会社

 和食は、鰹節、昆布、煮干しなどからとられる「だし」をベースとし、醤油、酒、みりんなどの調味料による味付けにより成り立っています。ここでは、醤油、みりん、砂糖からなるモデル調味液を煮た際に漂う香りに焦点を当て、ダイナミック・クックスペース®法を適用した例を紹介します。
 まず初めに、人の鼻により、モデル調味液から漂う香りを評価しました(図1)。モデル調味液の香りは、沸騰直前の4分くらいから匂いが強く検出されはじめ、その香調は時間と共に変化していることがわかりました。

図1 加熱中の醤油調味液の香りの変化


 次に、醬油調味液を加熱した際に漂う香りを構成する成分を分析しました(図2)。本手法を用いると、アセトアルデヒドや2-メチルプロパナールのような揮発性の非常に高い成分も検出することが可能でした。さらに、調理中に漂う香りの多くは、アミノカルボニル反応生成物をはじめとした加熱によって生じた成分であることがわかりました。

図2 醤油調味液から漂う香り(加熱11分) -AEDAクロマトグラム-


 中でも特に寄与度の高かった成分の調理中の変化を追跡したところ、加熱初期のみ増加するものと、加熱中増加し続けるものがあることがわかりました(図3)。
 これらのことから、調理中に漂う香りは、主に加熱により生じる香気成分から成り、それらのバランスの違いによって、刻々と変化していることがわかりました。

図3 主な香気寄与成分の加熱中の変化


金子秀、熊沢賢二、煮物調理時の揮散香気分析法の開発、日本食品科学工学会誌、63(6)、262-267 (2016).


「論文に関するお問合せ先:小川香料(株)総務部」
pr@ogawa.net

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