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研究レポート

生醬油の香気寄与成分の解明と加熱による変化

金子秀, 熊沢賢二, 西村修
小川香料株式会社 解析研究所

 生(なま)醤油は、通常の醤油と異なり火入れ(加熱)工程を経ていない新しいタイプの製品として普及しつつあります。ここでは、濃口タイプの生醤油の香りと火入れによって付与される火香(ひが)と呼ばれる香りについてご紹介いたします。
 生醬油と火入れ醤油の香りを比較したところ、生醬油は、ポテト様、カラメル様、麦芽様、ハニー様、スパイシーな香りをバランスよく有していたのに対し、火入れ醬油は、麦芽様、ポテト様、スパイシーな香りがより強いことがわかりました。

生醤油、火入れ醤油の香り グラフ

 この火入れによって付与される火香を構成する寄与成分は、AEDA、GC-MS分析により、2-/3-methylbutanal(麦芽様)、methional(ポテト様)、2-methoxy-4-vinylphenol及び2,6-dimethoxy-4-vinylphenol(スパイシー)であることがわかりました。
 これらの成分はアミノカルボニル反応やフェノール酸の脱炭酸反応により生成すると考えられることから、火香を構成する香気成分は、原料中のアミノ酸や糖類、フェノール酸が加熱されることによって生成したと考えられます。

火入れにより顕著に増加した香気寄与成分


Kaneko. S.; Kumazawa, K.; Nishimura, O. Studies on the Key Aroma Compounds in Raw (Unheated) and Heated Japanese Soy Sauce. J. Agric. Food Chem. 2013, 61, 3396-3402.



「論文に関するお問合せ先:小川香料(株)総務部」
pr@ogawa.net

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