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研究レポート

加熱によるコーヒー香気成分の変化(2)

熊沢賢二, 増田秀樹
小川香料株式会社

 ここでは、引き続き加熱により変化するコーヒーの香り成分について紹介いたします。
 先の研究では、淹れたてのコーヒーの香りにとって、3種の硫黄化合物(2-furfurylthiol、methinal、3-mercapto-3-methylbutyl formate)が重要であり、2-furfurylthiolが主に酸化反応により減少することを明らかにしました。この様に香気成分の化学的な性質はコーヒー飲料の香ばしさに大きく影響する可能性が考えられます。そこで、2-furfurylthiolと同じチオール化合物に分類される3-mercapto-3-methylbutyl formate についても化学的な性質を調べたところ、この香気成分は主として加水分解により減少し、さらに、極めて特徴的なpH依存性(pH 4付近で最も安定性が高まる)を示すことがわかりました。
 この結果は、コーヒー飲料における香気変化のメカニズムとして、従来から指摘されている酸化に加えて、加水分解も重要な要素であることを示しています。

グラフ

緩衝液における加熱後*の3-mercapto-3-methylbutyl formate(MMBF)、3-mercapto-3-methylbutyl acetate(MMBA)の残存率**とpHの関係
*加熱条件は120ºC、20分間、**残存率は加熱後の含有量/加熱前の含有量×100(%)にて表示)


Kenji Kumazawa and Hideki Masuda, Effect of pH on the Thermal Stability of Potent Roasty Odorants, 3-Mercapto-3-methylbutyl Esters, in Coffee Drink. J. Agric. Food Chem., 2003, 51, 8032-8035.


「論文に関するお問合せ先:小川香料(株)総務部」
pr@ogawa.net

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