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研究レポート

加熱によるコーヒー香気成分の変化(1)

熊沢賢二, 増田秀樹
小川香料株式会社

 ここでは、加熱により変化するコーヒーの香気成分について紹介いたします。
 新鮮なコーヒーの香りは繊細で変化しやすく、淹れたての魅力的な香りを保持することは非常に難しいとされています。一般に、缶などの容器に詰められたコーヒー飲料は、安全性を高めるための加熱処理が必要とされており、その際に香りの特徴は大きく変化することが知られています。そこで、加熱により変化するコーヒーの香りを調べたところ、加熱後のコーヒーは3種の硫黄化合物(2-furfurylthiol、methional、3-mercapto-3- methylbutyl formate)が減少し、その結果、コーヒー特有の香ばしさが大幅に弱まることを明らかとしました。さらに、加熱前のコーヒー香気で最も高い寄与度を示した2-furfurylthiol の化学的な性質を調べたところ、この香気成分は主に酸化反応により減少し、極めて狭いpHの範囲(pH 5から7)で、その反応性が大きく変わることを見出しました。この結果は、コーヒーの微妙なpHの違いが特有の香ばしさに大きな影響を与える可能性を示しています。

深煎りコーヒー豆の香りに重要な成分と焙煎度の関係

モデル溶液(緩衝液)における加熱後*の2-furfurylthiolの残存率**とpHの関係
*加熱条件は121ºC、10分間、**残存率は加熱後の含有量/加熱前の含有量×100(%)にて表示)


Kenji Kumazawa and Hideki Masuda, Investigation of the Change in the Flavor of a Coffee Drink during Heat Processing. J. Agric. Food Chem., 2003, 51, 2674-2678.


「論文に関するお問合せ先:小川香料(株)総務部」
pr@ogawa.net

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