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研究レポート

香気成分間における相互作用

Wise M. Paul*, 宮澤利男**
*モネル化学感覚研究所, **小川香料株式会社 素材技術研究所

複数の香気成分同士が相互に作用することで、香気の強度や質が変化することは古くから経験的に知られていますが、詳細なメカニズムは不明で、系統だった知見はあまり得られていません。本研究では、系統的に炭素鎖長(C2、C4、C4、C8)が異なる脂肪族カルボン酸を用いて2成分混合モデルを作成し、官能評価により相互作用の定量化を行いました。これまでの研究では、複数の香気成分を混ぜた場合、負の相互作用(抑制効果)が生じることが報告されていましたが、本研究では、C2+C4といったように炭素数や分子量の類似した構造間において、相互作用が顕著に生じることを見出し、さらには香気として知覚できない程の微量な濃度(閾値以下の濃度)において、正の相互作用(相乗効果)が生じることを初めて明らかにしました。

2成分混合系での相互作用の定量結果

グラフ

 つまり人が感じることの出来ない程のわずかな量の香り成分でも、全体の香りを構成する上で大事な役割を担っていることを科学的観点から初めて証明することに成功しました。香りの世界には隠し味ならぬ「隠し香」があるのです。


Wise, M. P.; Miyazawa, T.; Gallagher, M.; Preti, G. Human Odor Detection of Homologous Carboxylic Acids and Their Binary Mixtures, Chem. Senses 2007, 32, 475-482.

本研究は、2006年度日本味と匂学会(第40回大会)において「日本味と匂学会論文賞」を受賞した論文を再構成したものです。


「論文に関するお問合せ先:小川香料(株)総務部」
pr@ogawa.net

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