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研究レポート

口臭発生に関わる菌に対するワサビ成分の殺菌効果

増田秀樹, 廣岡沙織
小川香料株式会社 健康素材研究所

 口腔内のポルフロモナス属、プレボテーラ属、フゾバクテリウム属等の嫌気性菌は歯周病だけでなく口臭の原因ともなっています。これらは舌苔(舌表面を覆う白色或いは黄色の堆積物)や歯周ポケット(歯と歯茎の間にできる溝であり、歯周病になると大きくなる)内に多く存在しており、食物等の分解物であるシステインやメチオニン等の含硫アミノ酸をもとに、硫化水素(温泉臭)やメチルメルカプタン(野菜腐敗臭)などの成分を産生します。したがって、口腔内の嫌気性菌の増殖抑制は口臭発生防止に有効な方法のひとつです。
 弊社ではワサビに含まれる成分、ω-メチルチオアルキルイソチオシアナートがワサビ特有の甘味に寄与していることを既に報告しておりますが、今回は口臭発生に大きく関与するポルフロモナス属やプレボテーラ属の菌に対する殺菌効果についてご紹介いたします1, 2)
 殺菌効果は歯磨き、ガム、キャンディ等に汎用されているミント成分と併用することで相乗的に高まることを見出したことから、混合物での添加効果を検討いたしました。
 その結果、『ワサビ成分とミント成分の混合物』を菌液に添加後3分または6分といった短時間で強い殺菌効果をもたらすことが明らかになりました(図1)。なお、ワサビ成分ω-メチルチオアルキルイソチオシアナートおよびミント成分の添加濃度はMIC(菌に対する最小発育阻止濃度)です。写真1はヒト口腔内の嫌気性菌を示しています。上記混合物を含む洗浄液で口をゆすいだ結果、菌数が大きく減少しました。

図1.「ワサビ成分とミント成分の混合物」添加後の時間と嫌気性菌の生菌数 写真1.「わさび成分とミント成分の混合物」によるヒト口膣内洗浄

1)Masuda, H. and Hirooka, S., Recent Highlights in Flavor Chemistry & Biology, The Proceedings of the 8th Wartburg Symposium on Flavor Chemistry and Biology, Deutsche Forschungsanstalt fűr ebensmittelchemie, Germany, 2007, pp 415-419.
2)オーラルヘルスケア機能性食品の開発と応用, 増田秀樹著, (株)シーエムシー出版, 2013年, pp.177-185.


「論文に関するお問合せ先:小川香料(株)総務部」
pr@ogawa.net

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