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研究レポート

イソチオシアナート類と茶抽出物の相乗的抗う蝕効果

増田秀樹*,廣岡沙織**,井上俊夫*
*小川香料株式会社, **小川香料株式会社 健康素材研究所

 う蝕(虫歯)は原因菌(ミュータンス菌)から分泌された酵素(グルコシルトランスフェラーゼ)の働きで糖分が多糖類(不溶性グルカン)に変わることから始まります。不溶性グルカンは口腔内の種々の細菌を取り込み、歯垢(プラーク)をつくります。歯垢内に住みついた細菌が糖分を分解、酸を発生し歯の表面が溶けることで虫歯が進行していきます。従って、う蝕を防止するため、う蝕原因菌に対する抗菌(う蝕原因菌の増殖抑制や死滅) 酵素反応の抑制等の方法が検討されています。
 当社では以前からワサビが有する生理活性に着目しており、既にワサビ中の重要香味成分であるイソチオシアナート類がう蝕原因菌に対し抗菌効果を示すことを見出しています。一方、緑茶、ウーロン茶、紅茶といった茶類においては、カテキン類、カテキン重合物等のポリフェノール類がう蝕原因菌に対し抗菌効果を有するだけでなく、酵素反応も抑制することにより抗う蝕効果を示すことが報告されています。そこで、当社はイソチオシアナート類と茶ポリフェノール類を組み合わせることにより、より高い抗う蝕効果を得ることを期待し種々の実験を行いました。
  ラットにイソチオシアナート(I)と紅茶抽出物(B)、および両方を合わせたもの(I+B)を含む食餌を与え、う蝕度(う蝕スコア)を測定しました(CはI、B、I+Bを含まない、いわゆるコントロール)。その結果、下図のようにイソチオシアナートまたは紅茶抽出物のみを与えた場合よりも、両者を合わせて与えた場合のほうがう蝕をより強く抑制しました。

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Masuda, H.; Hirooka, S.; Inoue, T. Effect of Combined Use of Isothiocyanate and Black Tea Extract on Dental Caries. ACS Symposium Series 925; American Chemical Society: Washington, DC, 2006; pp 290-298.


「論文に関するお問合せ先:小川香料(株)総務部」
pr@ogawa.net

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