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研究レポート

煎茶における微量香気成分
(4-mercapto-4-methyl-2-pentanone)
のより簡便な定量法とその応用

熊沢賢二, 馬場良子, 西村修
小川香料株式会社

  ここでは、煎茶の重要な香気成分である4-mercapto-4-methyl-2-pentanone(MMP)の簡便かつ迅速な定量法について紹介いたします。
  MMPは、特有のグリーンな香りを有する、煎茶の重要な香気成分です。しかしながら、におい閾値*1が低く、煎茶にはごく微量しか含まれていないため、その定量は非常に困難でした。そこで、より簡便にMMPを定量するため、固相マイクロ抽出(SPME: Solid Phase Microextraction)法による定量方法を開発しました。SPME法は、煩雑な前処理を必要とせず、測定を自動化することのできる、非常に簡便な香気分析法です。このSPME法を用い、測定条件を工夫することで、わずか1gの煎茶(茶葉)から、MMPを感度よく定量することが可能となりました。
  そこで、この方法を用いて、35種類の煎茶に含まれるMMPの定量を試みました。その結果、MMPが多く含まれている煎茶ほど、特有のグリーンな香りを強く感じること、また、煎茶の製造工程における蒸熱*2の条件が、MMPの含有量に影響する可能性を見出しました。このことから、煎茶の香りと蒸熱の条件は、密接に関わっている可能性が考えられます。


*1 におい閾値: 香気成分のにおいの強さを示す数値で、その物質のにおいを感じることができる最低濃度の値

*2 蒸熱: 摘んだ生茶葉を蒸気で加熱し、葉に含まれる酸化酵素の働きを止める工程

図.煎茶(茶葉)中のMMP濃度(ppb) 火入れによるMMP増加量(ppb)

  • 煎茶中のMMP濃度と特有のグリーンな香りの強さ
  • 煎茶中のMMP濃度と蒸熱条件


Kenji Kumazawa, Ryoko Baba, Osamu Nishimura, Automated Analysis of 4-Mercapto-4-methyl-2-pentanone in Japanese Green Tea (Sen-cha) by Headspace Solid-Phase Microextraction and Gas Chromatography with Mass Spectrometric Determination, Food Sci. Technol. Res., 2010, 16, 59-64.


本研究により、2011年度日本食品科学工学会 Food Science and Technology Research Award(英文誌論文賞)を受賞しました。


「論文に関するお問合せ先:小川香料(株)総務部」
pr@ogawa.net

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